「坊っちゃん」を読み終わって次はこの本を。
ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ (講談社現代新書) イリーナ・メジューエワ著
著者は日本を本拠地に演奏活動するロシア人ピアニスト。この方のモーツァルト曲を一時期愛聴していました。端正で品のよい演奏でとても気に入っています。
まだ読み始めたばかりですが最初のバッハ「ゴールドベルク変奏曲」の解説が非常に面白くためになったのでご紹介を。
「ゴールドベルク変奏曲」はあの有名なグールドの演奏などでバッハの曲のなかでも僕がとくに聴き馴染みのある曲ですが、この本を読んで目からウロコが。クラシックに明るい人にはあたりまえのことなのかもですが、以下箇条書き。
・2段鍵盤(チェンバロ)のために書かれた曲なので(1段しかない)ピアノで弾くのは大変
・メロディではなくバス(低音部)を主題とする変奏曲
・変奏3曲ずつが1セット。3曲めがかならずカノン
・最初と最後のアリアを含めたすべての変奏の前半後半にリピート記号がついている。つまり同じ演奏を2回やるというのが本当だそうで、それを忠実に弾くと80分を超える演奏になるのだそうです(いままで僕が聴いてきた演奏はリピートしてない演奏ばかりだったんですねー)。
成る程ねえとうなずいて、そのあとの各変奏ひとつひとつのピアニストならではの解説を読みながら実際にゴールドベルク変奏曲を聴いてみました
いやあ曲への理解が深まりました。勉強になった。というか今までなにを聴いていたんだか(笑)
ちなみに聴いていたのはこの演奏
「ゴールドベルク変奏曲」アンドラーシュ・シフ(1982年)
なんとなく選んだこのシフの演奏はかなり自由で軽やかな演奏になっているんですが、著者のメジューエワさんはわりと保守的に演奏する方のようで、解説と聴いてる演奏に結構な違いがあってそれも面白かったです(^^)
ゴールドベルクといえばのグールドの(2度めの)録音はこちら。これはクラシックに興味なく方でも聴いて損はないです。