「シューベルト:Schubert: Piano Works 1822-1828」ブレンデル
というわけでシューベルトの後期ピアノソナタです。これがなかなかスゴイ世界。
昨日シューベルトは古典派の構造なのにとてもロマン派という感想を書きましたが、このピアノソナタになるとその範疇にも収まらない様になっています。
曲を聴いて受ける印象としてはベートーヴェンの後期ピアノソナタ的な感じ。ただあっちは追求して行き着く所までいった世界ですが、シューベルトは自然に普通に出来上がった楽曲に聴こえます。まるで即興的にピアノに向かって作った曲みたいな。
シューベルトのピアノソナタは「構成が悪い」「やたらと長い」という批判的な言葉があるようですが、即興的なつくりの作品と考えるとその批評もとくに悪い意味ではなくなる気がします。キース・ジャレットのケルン・コンサートみたいなピアノソナタというか。
勿論実際はそんな書かれ方はされたはずはないんですが、そんな風に聴こえるところがシューベルトのピアノソナタのすごさというか、ワン・アンド・オンリーさなのかなあと感じます。
このブレンデル盤は、歌いまくる演奏でシューベルトのピアノソナタにバッチリ。最高の演奏です(^^)