深夜にクラシックをアナログで
「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28、32番」マウリツィオ・ポリーニ
巨匠ポリーニですが実はそんなに好んでは聴かないピアニストです。僕には人間味が希薄なように感じられて。
でもたまに聴くと凄いんですよねやっぱり。これだけピアノの音、響きを一音一音コントロールして弾くというのは超絶的なことなんだろうなと、演奏の技巧がわからない僕でも強く感じます。ましてや難曲と言われるベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタでこの完璧さ。
なんですが聴いて感動するかというとそうでもないところが僕があまりポリーニを聴かない所以なんでしょう。多分。
その代わり音響的な快楽は他では味わえない魅力があります。ピアノという大きな楽器の操り方の妙味というか。楽曲の魅力を引き出すというアプローチではなくて、純粋に音、音響で勝負と言うんでしょうか。エレクトロニカ的な。デジタル音をPCを使って微妙な音色やテンポを調整するようなアプローチに近い感じ。それをアナログな手弾きでやってしまうスゴサ。
そういう意味では70年代の演奏ですが、実にイマなベートーヴェンの演奏かも(^^)