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映画「サタン・タンゴ」7時間18分の幸福

観たくてたまらなかった映画をようやく観ることができました。

タル・ベーラ監督の「サタン・タンゴ」

ブルーレイでしか入手できなくてそれが1万くらいなので悩んで3年経ちました。ネット・レンタルでも見つからないし。
それがなんと昨日アマゾンプライムビデオに入ってることを発見。辛抱したかいがあった。
実は以前からアマゾンの有料オンラインレンタルにはあったのです。
ただレンタル期間中に見終える自信がなかった。
なんと上映時間7時間18分。
でもタル・ベーラ監督の作風を考えると長ければ長いほど期待が膨らみます。

2日かけて観ました。素晴らしい。期待以上です。流石に7時間強なので、あっというまに終わったとはいきませんが体感だと4時間くらいかな。普通の映画のようなドラマが展開されるのが4時間半以降でそれまでは状況や人物の説明が全くないんですがそこがタル・ベーラマジック。後半のストーリーが展開していく所よりそれ以前に見所が多かった気がします。映像の力はすごい。タルコフスキーもそうですが映画の本質をついた作品だと思いました。

鑑賞後検索してたらタル・ベーラ監督のインタビューを見つけて非常に興味深かったので引用します。それにしても凄い映画だった。もう一回観てやろうか。

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(タル・ベーラ)『ダムネーション/天罰』は、実は日本に初めて行ったときのことがきっかけになっています。
1984年に、東京で初めて“能”を見ました。6時間にわたる能でしたが、演者が30分くらいかけて舞台を横切っていく……。そのとき、自分の中でゆっくりと理解できたことがありました。
名前は忘れてしまいましたが、当時90歳くらいの教授に美術館に連れていってもらい、二つの黒点がある絵を見たのですが、その教授は「西洋の方は黒い点のところを見るでしょう、私たちは白い余白を見るのです」と言ったのです。
その後すごく腑に落ちて、帰国する飛行機の中で、自分は愚かだったと思いました。なぜ物語に囚われていたのだろう、余白部分にもっと注意するべきだったんじゃないか、と。それは私にとって重要な体験だったんです。
物語は大体どれも同じだ、余白にあるものが重要なんじゃないか、というのが私のテーマになりました。

 

 

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